Beowulf & Grendel

Beowulf & Grendel

NEWS

Beowulf & Grendelの公開が近くなってきて、情報が多くなってまいりましたので、 ニュースをブログにて掲載してゆくことにいたしました。
こちらよりどうぞ…… Beowulf Movie News


ティーザーをご覧になって世界観に惚れ惚れした方も多いかと思います。肝心の音楽ですが、Hilmar Orn Hilmarssonという作曲家さんが手がけていらっしゃいます。ヒルマーさんのサンプルミュージックはこちらのサイトから聴くことができます。SAMPLES & STUFFからHilmar Orn Hilmarsson - Coffinでダウンロードできます。トラッドやケルトばっかり聴いている管理人はすっかりFANになってしまいました(^-^)


Beowulf & Grendelは2005年に公開される予定の カナダ・アイスランド・イギリス合同の映画です。(日本公開年は未定です) 原作は古英語で書かれた叙情詩『ベーオウルフ』。 スウェーデンの英雄ベーオウルフがグレンデルを倒すためにデンマークに向かいます。

父がかけてもらった恩を返すため、ベーオウルフは海を渡る。  対するは怪物グレンデル―――。

STORY

J.R.R.トールキンの『指輪物語』に影響を与えた古英叙事詩『ベーオウルフ』。
原詩では物語の幕開けとして登場したベーオウルフとグレンデルとの闘い、 この映画ではその部分だけに焦点を絞ってえがく。

夜な夜な宮殿に現れる怪物グレンデル(イングヴァー・エゲルト・シガードソン) に悩まされるフロースガール王(ステラン・スカルスガルド)。 幾度となく若く勇気ある若者たちがその怪物を倒そうと闘いを挑んできたが、 朝、宮殿に残るのは彼らの飛び散った血のみ。 いつしか怪物に挑もうという猛者は宮殿に現れなくなった。

ヒィエラークの王の間で、船乗りに異国の惨状を聞かされたベーオウルフ (ジェラルド・バトラー)は、 その怪物に悩まされているのが、かつて自分の父親をかくまってくれた恩人 フロースガール王だと知るや、その恩を返すためにデネ(デンマーク)に向かう・・・。

人物の読みは岩波文庫版・サトクリフ版を参考にしていますので、 翻訳の時点で違う読み方になる可能性があります。




ジェラルド・バトラーがベーオウルフを演じます。
アッティラのような素敵な英雄を演じてくれると期待してます。
ベーオウルフの写真の中でこれが一番好きなのです。



ステラン・スカルスガルド演じるフロースガール王とその宮殿。
時代考証なんかもばっちりです。



ロナン・ヴィバートの写真です。 ロナンはトールケルという役を演じます。
瞳の色と同じ服の色が印象的です。そんな細部まで計算してるのでしょうね…すごい。


これらの写真は全て許可を得て使用しています。 転載はできませんのでご了承ください。
No use of these photos is allowed without permission of Beowulf & Grendel Webmaster.


CAST

Beowulf & Grendelの大きな魅力のひとつが俳優陣。 きらびやかな超売れっ子俳優ばっかりを使ったハリウッド映画 もいいけれど、こんなに実質的な俳優を集めた映画って そうそうないのではないでしょうか。 (監督さんと趣味が似てるだけ…?笑)

BEOWULF ベーオウルフ

ジェラルド・バトラー
我らがGerry!…何も気のきいたことがいえなくてすみません。 Gerryのことを数行でまとめるなんてそんなこと できません。(別に数行にまとめなくてもいいだろうに) ジャンル的にアッティラっぽい感じだと思っていましたが、 予告を見る感じだとだいぶ謙虚な方ですね、ベーオウルフさん…。

HROTHGAR フロースガール王

ステラン・スカルスガルド
ステランさんも今人気超上昇中の俳優さんですよね。 なにしろもうパイレーツ・オブ・カリビアンの2、3ともに 出演が決まっているくらいです。 最近の出演作で印象的なのは『キング・アーサー』。 コスプレ姿がとってもフロースガール王に似ています。

HONDSCIOH ホンドシオーホ

トニー・カラン
トニー・カランさんも今大人気の俳優さんです。 写真は"Flight of the Phoenix"から。 『リーグ・オブ・レジェンド』の透明人間とかも 実はトニーさん。 もともとテレビシリーズを中心に 出演していた俳優さんですが、最近は 映画の出演作も増えています。 少し前に日本でも放送した『アヴァロンの霧』(TVミニシリーズ) にも出演していました。

SELMA セルマ

サラ・ポリー
『ドーン・オブ・ザ・デッド』での迫真の演技も 記憶に新しいサラですが、もともとカナダで有名な 女優さん。映画監督としても活動しています。

GRENDEL グレンデル

イングヴァー・エゲルト・シガードソン
撮影が行なわれたアイスランドの新鋭俳優さん。 私は見たことがないのですが、 ハリソン・フォード、リーアム・ニーソン出演の K-19にも出演しているそう。

THORKEL トールケル

ロナン・ヴィバート
『紅はこべ』のロベスピエール役で一躍注目を集めました。 『トゥームレイダー2』、『戦場のピアニスト』など 脇役としてではありますが、 わりと大作への出演もしています。

FISHERMAN 漁夫

フィリップ・ウィッチャーチ
『シャープ』のフレデリクソン、といえばああ〜という方も いらっしゃるのでは!? というわけで写真は"Sharpe's Revenge"から。 朝から私はなにフレデリクソンをキャプってるんだ…(笑)



MOVIE INFO

  • DIRECTOR

    監督
    ストゥーラ・ガンナーソン

  • WRITER

    脚本
    アンドリュー・レイ・ベルジンス

  • STARRING

    出演
    ジェラルド・バトラー、サラ・ポリー、ステラン・スカルスガルド、
    イングヴァー・エゲルト・シガードソン、トニー・カラン、ロナン・ヴィバート

  • STUDIO

    制作
    ユーラシア・モーション・ピクチャーズ(?)

  • RELEASE DATE

    公開日
    全米公開:未定
    日本公開:未定

BOOK

ベーオウルフ―中世イギリス英雄叙事詩...岩波文庫
日本でベーオウルフを読むといったらまずこれだと思います。

ベーオウルフ 妖怪と竜と英雄の物語...サトクリフ・オリジナル (7)
いきなり岩波では不安という方にはサトクリフ版。 ローズマリ・サトクリフはアーサー王などの抄訳版で有名な作家ですが、 サトクリフ・オリジナルシリーズの最終巻ベーオウルフもまた優秀です。 もちろん原典・岩波版を読んだことのある方には特別 楽しく思われないかもしれませんが、それはサトクリフが忠実に 話を縮めているからで、余計な話を創作したりしていないからなのです。




もっとこの世界を知りたい!という方は Beowulf & Grendel official pageへ。

このページは の共同コンテンツです。






THE LORD OF THE RINGS

まだ付き合ってくださるのですか!?なんと奇特な…。 それではよく言われるトールキン先生とベーオウルフについてです。 トールキンマニアの妙な文ですので、 お暇な時にでもお読みくださいませ。



J.R.R.トールキン、ご存知『指輪物語』の作者でもあり、 著名な言語学者でもある教授です。 映画『ロード・オブ・ザ・リング』の大ヒットでその名は もはやファンタジーファンだけが崇拝する ものではなくなってしまいました。

そんなトールキン先生が研究していたのがこのベーオウルフなのです。 というのも、トールキン先生の主な研究内容のひとつが、 『古代ノルド語が古英語ないし中世英語に与えた影響』 といったようなもので、ベーオウルフはそのための重要な文献だったのです。 ベーオウルフといえば古英語、古英語といえばベーオウルフ。

古代ノルド語という言語のほうは、北欧の古いことばで、 北欧神話のEDDAなんかもこのことばで書かれています。 ガンダルフ(ガンダルヴ)というのも古代ノルド語です。

実はトールキン先生はこの研究を見事に『指輪物語』の中に 反映させているんですよ。

トールキン先生は『ホビットの冒険』を書いた当初、 実質的にその続編となる『指輪物語』を書くつもりはありませんでした。 ので『ホビットの冒険』の時代設定は現在からさかのぼること数百年前 を想定していました。そのため先生は古代ノルド語で ドワーフなどのキャラクターに名前をつけて出版しました。

実際に『指輪物語』を書く段になって、先生は悩んでしまいました。 中つ国の時代にそれより後の古代ノルド語の名前が あるのはおかしい…と。 そこで先生は『指輪物語』全体を通して古代の文書『赤表紙本』を トールキン先生が現代英語に翻訳したという体裁にする ことにして、 北国人(ノースメン)の使っていた言語を古代ノルド語 に翻訳したということにしたのです。

北国人という名前はたしか映画には出てこなかったと記憶して いますので一応説明しておきますと、 人間のうち中つ国の北のほうに住んでいた種族、 特にアンドゥインより北に住んでいた人間たちのことを指します。 アンドゥインは…霧ふり山脈とレゴラスの父親の王国のある 闇の森に挟まれた部分にある谷のことです。 ロスロリアンのあたり。

その北国人のうちアンドゥインを越えて白の山脈あたりまで たどり着いた人間(エオセオド)の子孫が映画にも出てきたロヒアリムたちです。 エオメルとかエオウィンとかセオデンとかがそうです。 このロヒアリムたちは普段ほかの人間と接する時は 共通語を使っていますが、 要所要所でローハン語を使ったり、使われたりしてます。 たとえば…

(こんなところを読んでくださっている方がいるとしたら きっとSEE版のDVDもお持ちでしょうから、そこから。) 二つの塔のSEE版、アラゴルンが暴れるブレゴを厩舎で なだめるというシーンがあります。 アラゴルンはブレゴを撫でながら言います。

Fæste, stille nu, fæste, fæste, stille nu, stille, stille..
Hwæt nemnað ðe?
Brego? Þin nama is cynelic.

『落ち着いて、名前は?ブレゴ?君の名前は高貴だな。』 というようなことを言っているのですが、 実はコレ古英語なんです。 ほらそう思って見るとなんとなく理解できそうじゃないですか?? トールキン先生はローハン語を古英語に直したという 体裁にしているんです。 ロヒアリムたちは北国人の子孫ですから、『古代ノルド語が 古英語に与えた影響』の反映がここにされているんです。

古英語をあてたことからわかるように、トールキン先生は ロヒアリムの文化をベーオウルフの時代の文化に似せてえがきました。 だから『エオメル』って名前もあるし、 ベーオウルフはエオメルとかセオデンみたい。 だからベーオウルフが指輪物語みたいなんじゃなくて、 まさにその反対なんです。



これでもだいぶセーブして書いたんですが、まだキモいでしょうか…(苦笑) 私のトールキン興味は主にほかの事柄に引っぱられているので、 こちらは手薄ですが、 でもやっぱり古英語の勉強のときはベーオウルフの原典が ないと話にならないと思っています。

ただしトールキン先生の場合、この文献を研究しつくしていたはずです。 それでもなおベーオウルフにこだわって、 その著書のなかでもベーオウルフと 同じくだりをのせてみたり、ベーオウルフ大好き 光線を出しまくっている先生……。 それほど古英語研究者をひきつけてやまない『ベーオウルフ』。 その理由は、 英雄ベーオウルフのかっこよさ、そして現代にはない男らしさ、 そのふたつに彼らが思いっきり 惹かれてしまっているからではないでしょうか。